運送会社の経営者から、よくこのような相談を受けます。
「トラックは毎日動いている」
「売上も極端に落ちているわけではない」
「仕事はあるのに、月末になるとお金が足りない」
これは決して珍しいことではありません。
運送業は、売上があっても現金が残りにくい業種です。
燃料費、人件費、車両修繕費、傭車費、高速代、保険料、借入返済。
これらの支払いは毎月確実に発生します。
一方で、荷主からの入金は翌月末、翌々月になることもあります。
2026年上半期、運送会社の資金繰りはさらに厳しくなっている
2026年1月〜3月期のトラック運送業界の景況感は、前回のマイナス22.4からマイナス29.4へ悪化しました。全日本トラック協会の調査をもとにした報道では、2026年4月〜6月期の見通しもマイナス47.2まで悪化するとされ、燃料調達への不安や燃料価格高騰への懸念が大きな要因として挙げられています。
つまり、2026年の運送会社は、単に「仕事があるから大丈夫」とは言えない状況です。
売上があっても、燃料費、人件費、修繕費、傭車費が増えれば、手元に残るお金は減ります。
重要ポイント
黒字でも資金繰りが苦しくなることがある
帳簿上は黒字でも、入金より先に支払いが来れば資金繰りは苦しくなります。
つまり、問題は単純に
「売上が少ないから苦しい」
という話ではありません。
本当に見るべきなのは、
「その売上から、いくら現金が残っているのか」
という点です。
借入だけでは根本解決にならない
資金繰りが苦しいと、まず追加融資や借換を考える経営者は多いです。
もちろん、足元の資金不足を乗り切るために金融機関への相談が必要な場面はあります。
しかし、粗利益が低いままでは、借入で一時的に資金を補っても、また同じ苦しさが戻ってきます。
資金繰り改善の土台は「粗利益」
粗利益とは、会社が本業で現金を生み出す力です。
運送会社でいえば、売上から燃料費、外注費、傭車費、高速代、修繕費などを差し引いたあとに、どれだけお金が残るかという視点です。
売上が大きくても、粗利益が低ければ資金は残りません。
逆に、売上が横ばいでも、採算の悪い仕事を見直し、待機時間や空車回送を減らし、運賃改定を進めれば、資金繰りは改善します。
まず確認すべき数字
最初に確認したいのは、次の数字です。
荷主別の売上
車両別の売上と修繕費
燃料費・高速代・傭車費
待機時間・空車回送
入金日と支払日のズレ
完璧でなくても構いません。
まずは概算でも、数字を分けて見ることが大切です。
金融機関も粗利益改善を見ている
金融機関に相談するときも、
「資金が足りません」
だけでは不十分です。
大切なのは、
なぜ資金繰りが苦しくなったのか
どこを改善すれば現金が残るのか
今後どうやって返済原資を作るのか
を説明することです。
資金繰り表と粗利益改善計画をセットで示せる会社は、金融機関から見ても安心感があります。
まとめ
売上よりも「残るお金」を見ましょう
運送会社の資金繰り改善は、売上を追いかけるだけでは解決しません。
大切なのは、利益が残る仕事に変えていくことです。
売上があるのに資金繰りが苦しい会社は、まず粗利益を見直してください。
中小企業診断士の松下卓蔵は、これまで約1000社の運送会社の経営改善を支援してきました。
粗利益の見える化、資金繰り表の作成、金融機関への説明資料づくりまで、一緒に整理いたします。
運送会社の経営者だけでなく、運送会社ご担当の地方金融機関様からのご相談にも対応いたします。
資金繰りに不安がある方は、まずはお電話・メールお気軽にご相談ください。