はじめに
運送会社の経営改善で、最初に取り組むべきことは何でしょうか。
新規荷主の開拓
増車
ドライバー採用
もちろん、どれも大切です。
しかし、資金繰りが苦しい会社が最初にやるべきことは、今の仕事で本当に利益が出ているかを確認することです。
重要なのは採算を見ること
売上合計だけでは、利益が出ている仕事はわかりません。
多くの運送会社では、会社全体の売上や利益は見ています。
しかし、荷主別、コース別、車両別の採算までは十分に見えていないことがあります。
「売上が大きい荷主だから重要」
「長年の取引先だから大丈夫」
「よく動いている車両だから稼いでいるはず」
この感覚だけで判断すると、不採算の仕事を続けてしまうことがあります。
物流効率化法で「荷待ち時間」は経営課題になった
2026年4月から、荷待ち時間は経営課題になっています。
物流効率化法では、すべての荷主・物流事業者に対して、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮に努めることが求められています。国土交通省のポータルサイトでは、1運行の荷待ち時間・荷役等時間を2時間以内にする目標なども示されています。
また、一定規模以上の荷主・物流事業者等は「特定事業者」として指定され、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられます。
これは大手だけの話ではありません。
中小運送会社にとっても、荷主に対して、
「待機時間を減らしてほしい」
「荷役作業を運賃に反映してほしい」
と数字で相談しやすくなる流れです。
まずは「荷主別」に見る
まず、荷主別に売上を分けます。
次に、その荷主に関係する燃料費、高速代、傭車費、外注費、待機時間を確認します。
すべてを正確に分けるのが難しければ、最初は概算で構いません。
特に2026年は、次の項目を荷主別に整理してください。
待機時間が月何時間あるか。
荷役作業は誰が行っているか。
附帯作業料をもらっているか。
積載効率はどの程度か。
帰り荷が確保できているか。
高速代を運賃に反映できているか。
これらを見える化すると、
「売上は大きいが利益が残らない荷主」
が見えてきます。
次に「コース別」に見る
同じ荷主でも、利益が出るコースと出ないコースがあります。
帰り荷があるか。
空車回送が多いか。
待機時間が長いか。
高速代がかかるか。
これらによって採算は大きく変わります。
特に、空車回送と待機時間は見落とされやすいポイントです。
売上にならない時間にも、ドライバーの人件費と燃料費は発生しています。
最後に「車両別」に見る
最後に、車両ごとの売上、稼働日数、燃料費、修繕費、保険料を確認します。
古い車両ほど修繕費が多く、稼働率が下がっている場合があります。
動いているように見えても、実際には資金を食っている車両があるかもしれません。
荷主別、コース別、車両別に見ることで、資金繰りを圧迫している原因が見えます。
不採算だからすぐやめる、ではない
不採算の仕事が見つかったからといって、すぐに取引をやめる必要はありません。
まずは改善の余地を探します。
待機時間を短縮できないか。
運賃改定を交渉できないか。
配車を見直せないか。
高速代や附帯作業を条件に反映できないか。
この順番で検討します。
現場を動かすためには対話が必要
粗利益改善は、経営者だけではできません。
配車担当者、ドライバー、事務担当者の協力が必要です。
組織はヒトで決まります。
相手の話を聞き、相手に合ったやる気の引き出し方を考えることも大切です。
相手の言葉を繰り返す「オウム返し」は、承認につながる有効な方法です。
まとめ
荷主別・車両別・コース別の採算を見える化すれば、資金繰りを圧迫している原因が見えてきます。
どこから手をつければよいかわからない方は、まずご相談ください。
弊社代表で中小企業診断士の松下卓蔵は、約1000社の運送会社の経営改善を支援してきました。
弊社では、運送会社の粗利益改善、車両別損益、荷主別採算、運賃交渉資料、資金繰り表、資金繰り改善、金融機関対応、リスケ・借換・保証協会対応、経営改善計画の作成まで、実務に沿って支援いたします
「どこから手をつければよいかわからない」
という段階でも大丈夫です。
まずは数字を一緒に整理するところから始めましょう。
-304x171.png)