松下卓蔵

運送会社経営者必見「車両別損益を見た瞬間、赤字の原因が見えた」~運送会社の粗利益改善事例

はじめに

運送会社の経営者は、毎日多くの業務に追われています。

配車
荷主対応
ドライバー管理
事故対応
資金繰り
金融機関対応

そのため、会社全体の売上や預金残高は見ていても、車両別に利益が出ているかまでは確認できていないことがあります。


車両別に見ると、赤字の原因が一気に見えることがある

ある運送会社では、売上は大きく落ちていませんでした。
トラックも動いており、荷主からの仕事もありました。

それでも、資金繰りは毎月苦しい状態でした。

経営者は、
「燃料費が高いから仕方ない」
「人件費も上がっているから利益が出ない」
と感じていました。

もちろん、それも原因の一部です。
しかし、車両別に数字を見ると、別の問題が見えてきました。

修繕費が利益を圧迫していた

一部の車両で、修繕費が大きく増えていました。
さらに、その車両が担当しているコースは待機時間が長く、帰り荷も少ない状態でした。

売上だけを見ると、一定の金額はあります。
しかし、燃料費、修繕費、人件費、高速代を差し引くと、ほとんど利益が残っていませんでした。

荷主別採算でも問題が見えた

次に荷主別の採算を確認しました。

すると、売上の大きい荷主の中に、実は粗利益率が低い取引がありました。

理由は、待機時間の長さと納品条件の厳しさです。

ドライバーは拘束される
燃料費もかかる
高速代も発生する
しかし、運賃は以前のまま

これでは利益が残りません。

補助金やGマークも経営改善の材料になる

 2026年5月29日、国土交通省は「中小物流事業者の労働生産性向上事業、テールゲートリフター等導入等支援」の申請受付を6月8日から開始すると発表しました。この事業は、中小トラック運送事業者の構造的な経営改善を目的に、車両の効率化設備の導入、業務効率化、経営力強化、人材確保・育成に必要な経費の一部を補助するものです。

また、全日本トラック協会では、Gマーク申請を受け付けています。

これらは単なる事務手続きではありません。
経営改善計画の中に入れることで、金融機関への説明材料になります。

たとえば、次のような説明ができます。

テールゲートリフター導入で荷役時間を短縮する
安全評価の取得により荷主からの信頼を高める
車両設備を改善してドライバーの負担を軽くする
事故・労災リスクを下げる
採用や定着につなげる

【ここが重要】補助金や安全評価も、粗利益改善・人材確保・金融機関対応の材料になります

改善策は数字から決める

運送会社A社では、まず修繕費が重い車両について、継続使用する場合と入替した場合の資金負担を比較しました。

次に、待機時間が長い荷主について、月間の待機時間、追加人件費、燃料費負担を整理しました。

そして、運賃改定の根拠資料を作成しました。

運賃交渉の伝え方

荷主には、単に
「値上げしてください」
とは伝えませんでした。

次のように伝えました。

「現在の運行条件では、待機時間と燃料費負担が大きく、安定した運行体制を維持することが難しくなっています。今後も継続して対応するために、運賃条件の見直しをお願いしたい」

この伝え方であれば、単なる値上げ要求ではなく、継続取引のための相談になります。

金融機関への説明も変わる

改善前は、
「資金繰りが苦しいので支援してほしい」
という説明でした。

しかし、数字を整理した後は、
「この車両、この荷主、このコースに課題があり、こう改善します」
と説明できるようになりました。

金融機関から見れば、
「資金が足りない会社」
ではなく、
「原因を把握し、改善に向けて動いている会社」
に見えます。

まとめ

車両別損益や荷主別採算を見ることで、資金繰り改善のヒントは必ず見えてきます。

中小企業診断士の松下卓蔵は、約1000社の運送会社の経営改善を支援してきました。
弊社では、運送会社の粗利益改善、資金繰り改善、金融機関対応、リスケ・借換・保証協会対応、経営改善計画の作成を支援しています。

「どこから手をつければよいかわからない」
という段階でも大丈夫です。

自社のどこで利益が出ていて、どこで資金が減っているかわからない方はご相談ください。
運送会社に特化して、車両別損益、荷主別採算、配車改善、運賃交渉、金融機関説明まで一緒に整理いたします。

運送会社経営者必見「金融機関に伝わる経営改善計画とは」~運送会社がリスケ・融資相談前に準備すべきこと

はじめに

2026年4月施行のトラック適正化二法で、取引の説明責任が重くなった

国土交通省は、令和8年4月1日からの施行内容として、貨物利用運送事業者への書面交付義務、実運送体制管理簿の作成義務などを案内しています。

さらに、運送契約の書面交付では、附帯業務料や燃料サーチャージ等を含む役務内容・対価を明確にする流れが強まっています。

これからの運送会社は、
「どの取引が、どの条件で、どの原価になっているか」
を説明できることが重要になります。

これは金融機関対応でも同じです。

まず現状を整理する

最初に整理すべき数字は次のとおりです。

 ・現在の売上
 ・粗利益率
 ・営業利益
 ・借入残高
 ・月々の返済額
 ・手元資金
 ・今後の資金不足見込み

ここが曖昧だと、金融機関は判断できません。

次に原因を整理する

運送会社で資金繰りが苦しくなる原因は、多くの場合、次のようなものです。

 ・燃料費の上昇
 ・人件費の増加
 ・車両修繕費の増加
 ・傭車費の増加
 ・待機時間の長期化
 ・運賃改定の遅れ
 ・不採算荷主の継続

「燃料費が高いから苦しい」だけではなく、どの荷主、どの車両、どのコースに影響が出ているのかまで整理します。


改善計画には取引条件も入れる

2026年以降の改善計画には、次の項目も入れてください。

 ・荷主別の売上と粗利益
 ・燃料サーチャージの有無
 ・附帯作業料の有無
 ・待機料の有無
 ・実運送・傭車の割合
 ・外注費・傭車費の増加理由
 ・運賃改定の交渉状況

金融機関は、単に赤字か黒字かだけでなく、
「経営者が自社の採算を把握しているか」
を見ています。

対策は具体的に書く

原因が具体的になれば、対策も具体的になります。

 ・荷主Aには運賃改定を交渉する。
 ・車両Bは修繕継続か入替かを判断する。
 ・コースCは帰り荷確保を進める。
 ・待機時間が長い納品先は条件改善を相談する。

このように、何をするのかを明確にします。

効果を数字で示す

 金融機関が特に見たいのは、改善によってどのくらい効果が出るかです。  

 ・月10万円の改善
 ・月30万円の改善
 ・半年で粗利益率を1%改善

完璧な予測でなくても構いません。
大切なのは、経営者が数字で改善を考えていることです。

リスケは延命ではなく、改善の時間を作るもの

 リスケは、単に返済を止めることではありません。

返済を一時的に軽くしてもらう期間に、利益体質へ変えるための時間を確保するものです。

金融機関には、
「返済猶予期間中に粗利益改善を進め、返済再開の原資を作ります」
と説明することが大切です。

まとめ

資金が完全に詰まってからでは、選べる対策が限られます。

早い段階で相談すれば、融資、借換、返済条件変更、信用保証協会の制度活用、中小企業活性化協議会の活用なども検討しやすくなります。

また、中小企業診断士の松下卓蔵は、約1000社の運送会社の経営改善を支援してきました。
弊社は、認定経営革新等支援機関として、運送会社の粗利益改善、資金繰り改善、金融機関対応、リスケ・借換・保証協会対応、経営改善計画の作成を支援しています。

金融機関に相談する前に、何を準備すべきかわからない方はご相談ください。

運送会社経営者必見「利益が残る運送会社はここを見ている」~荷主別・車両別採算の見える化から始めよう

はじめに

運送会社の経営改善で、最初に取り組むべきことは何でしょうか。

新規荷主の開拓
増車
ドライバー採用

もちろん、どれも大切です。
しかし、資金繰りが苦しい会社が最初にやるべきことは、今の仕事で本当に利益が出ているかを確認することです。

重要なのは採算を見ること


売上合計だけでは、利益が出ている仕事はわかりません。

多くの運送会社では、会社全体の売上や利益は見ています。
しかし、荷主別、コース別、車両別の採算までは十分に見えていないことがあります。

「売上が大きい荷主だから重要」
「長年の取引先だから大丈夫」
「よく動いている車両だから稼いでいるはず」

この感覚だけで判断すると、不採算の仕事を続けてしまうことがあります。

物流効率化法で「荷待ち時間」は経営課題になった

2026年4月から、荷待ち時間は経営課題になっています。

物流効率化法では、すべての荷主・物流事業者に対して、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、荷役等時間の短縮に努めることが求められています。国土交通省のポータルサイトでは、1運行の荷待ち時間・荷役等時間を2時間以内にする目標なども示されています。

また、一定規模以上の荷主・物流事業者等は「特定事業者」として指定され、中長期計画の作成や定期報告などが義務付けられます。

これは大手だけの話ではありません。
中小運送会社にとっても、荷主に対して、
「待機時間を減らしてほしい」
「荷役作業を運賃に反映してほしい」
と数字で相談しやすくなる流れです。

まずは「荷主別」に見る

まず、荷主別に売上を分けます。
次に、その荷主に関係する燃料費、高速代、傭車費、外注費、待機時間を確認します。

すべてを正確に分けるのが難しければ、最初は概算で構いません。

特に2026年は、次の項目を荷主別に整理してください。

待機時間が月何時間あるか。
荷役作業は誰が行っているか。
附帯作業料をもらっているか。
積載効率はどの程度か。
帰り荷が確保できているか。
高速代を運賃に反映できているか。

これらを見える化すると、
「売上は大きいが利益が残らない荷主」
が見えてきます。

次に「コース別」に見る

同じ荷主でも、利益が出るコースと出ないコースがあります。

帰り荷があるか。
空車回送が多いか。
待機時間が長いか。
高速代がかかるか。

これらによって採算は大きく変わります。

特に、空車回送と待機時間は見落とされやすいポイントです。
売上にならない時間にも、ドライバーの人件費と燃料費は発生しています。

最後に「車両別」に見る

最後に、車両ごとの売上、稼働日数、燃料費、修繕費、保険料を確認します。

古い車両ほど修繕費が多く、稼働率が下がっている場合があります。
動いているように見えても、実際には資金を食っている車両があるかもしれません。

荷主別、コース別、車両別に見ることで、資金繰りを圧迫している原因が見えます。

不採算だからすぐやめる、ではない

不採算の仕事が見つかったからといって、すぐに取引をやめる必要はありません。

まずは改善の余地を探します。

待機時間を短縮できないか。
運賃改定を交渉できないか。
配車を見直せないか。
高速代や附帯作業を条件に反映できないか。

この順番で検討します。

現場を動かすためには対話が必要

粗利益改善は、経営者だけではできません。
配車担当者、ドライバー、事務担当者の協力が必要です。

組織はヒトで決まります。
相手の話を聞き、相手に合ったやる気の引き出し方を考えることも大切です。
相手の言葉を繰り返す「オウム返し」は、承認につながる有効な方法です。

まとめ

荷主別・車両別・コース別の採算を見える化すれば、資金繰りを圧迫している原因が見えてきます。

どこから手をつければよいかわからない方は、まずご相談ください。

弊社代表で中小企業診断士の松下卓蔵は、約1000社の運送会社の経営改善を支援してきました。
弊社では、運送会社の粗利益改善、車両別損益、荷主別採算、運賃交渉資料、資金繰り表、資金繰り改善、金融機関対応、リスケ・借換・保証協会対応、経営改善計画の作成まで、実務に沿って支援いたします

「どこから手をつければよいかわからない」
という段階でも大丈夫です。

まずは数字を一緒に整理するところから始めましょう。