未払残業をなくして業績改善~運送会社の賃金改善事例

運送会社の未払残業請求が後をたちません。特に最近は、弁護士がホームページで「未払残業代請求できます」という情報もとびかっており、運送会社の経営者としては早急に給与体系の見直しが重要になってきます。私が今まで多くの運送会社の経営者とお会いして思うことは、


「うちの会社は大丈夫。みんな社員はわかってくれるから」
「昔からいるメンバーなので大丈夫」


と言われる方が多いことです。昨年、福岡県の運送会社で未払残業代など5名に対し約1億2000万円の支払請求が裁判で認められました。その会社はその少し前の裁判で1名に対し約2000万円の支払請求が認めらました。すなわち、一度多額の請求が認められると他の社員からも請求される可能性が高いのです。では、どのようなケースで未払残業になるリスクがあるのでしょうか。


(ケース1)歩合給の会社
一番多いのが、「給与体系が歩合給」の会社です。大きくは、全ての給与が歩合給の「オール歩合給」と、固定給と歩合給をあわせた場合があります。この場合、給与をどのような形で支払っているかが重要になります。


① オール歩合給の会社
特に中小の運送会社に多い「売上の●%」など「オール歩合給」の場合、①残業代をどのように払っているか、さらに、②保障給をどうしているか、が重要になります。ほとんどの会社で「歩合給」の場合は残業未払になる場合がほとんどです。保障給は、「労働基準法第27条(出来高払い制(歩合給)の保障給)」で定められています。少なくとも平均賃金の100分の60程度を保障することが妥当とされています。私が賃金改善のお手伝いした会社の経営者は、「昔のうちの賃金体系(歩合給)だったら、同じ可能性があったのですね」とおっしゃっていました。また、今回の福岡の運送会社の場合もそちらにあたると思われます。


② 基本給(固定給)+歩合給の会社
最低保障は基本給(固定給)、それ以外は歩合給の会社です。この場合も「残業代をどのように払っているか」がポイントになります。「歩合給が残業代の代わりに支払っている」場合が一番未払残業のリスクが高まっています。


(ケース2)固定残業の導入
最近増えているのが「固定残業代の導入」です。この場合、時間管理をしっかり行い固定残業代との差額分を支払っている場合は「未払残業のリスクはほぼない」といえます。しかし、「時間管理ができていない」「差額を支払っていない」場合は未払残業になっている可能性があります。ある会社では、月の給与は固定給(基本給+固定残業)で、4ヶ月に1回賞与として清算しているケースがありました。経営者は、「後から払っている」とおっしゃっていましたが、実際には賞与としての支給でしたのでこの場合、月額の給与で残業代が不足している場合は未払残業になる可能性があります。
よく運送会社の賃金セミナーで話を聞いた(多いのが私が昔いた古巣の保険会社セミナー)のでそれを参考にしたとのことですが、よく見ると

「賃金規程が直っていない」「労働契約書が結ばれていない」「実際時間管理が行われていない」

など場合が多く見られます。歩合給を導入している会社の場合、残業代が未払になっている可能性が多いのです。また、固定残業代の場合、未払賃金よりも「やった分の給与が報われない」ということでドライバーが他社に転職することも増えています。
「未払残業を発生させない企業防衛」とともに、「会社と社員が報われる業績向上と賃金アップ」を行うことで、「社員が集まり定着率が高い運送会社」に生まれ変わります社員が続々と集まる会社を目指して、「賃金改善」を行ってほしいと考えます。

弊社では、北海道から九州まで全国950社を超える運送会社の相談実績をもとに、全国の運送会社の「会社存続と業績改善、賃金改善」のお手伝いを行っております。
未払残業の可能性がないかのご相談も可能です。お気軽にご連絡ください。

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